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IR資料室

統合レポート

 
 



次の50年の成長へ
 人は有限、会社は無限”―私は創業以来、企業活動にゴールはないとの信念のもと、さまざまな挑戦を続けてまいりました。幸いにもお客様をはじめさまざまな関係者の皆様からご協力を賜り、2018年には創業50年を迎えることができました。ステークホルダーの皆様に対して、ここに改めて深く御礼申し上げます。
 感謝の念を胸に刻むと同時に、私は、“次の50年の成長”に向けて果敢に挑戦していく決意も新たにしています。2017年、総額50億円のベンチャー企業投資を発表したのは、時代の変化を成長機会としてきた当社のDNAを改めて確認するという意味合いもありました。


時代の変化を成長機会に
 時代の変化を成長機会とする―今、我々を取り巻く事業環境は、まさにそうしたターニングポイントにあると認識しています。IoTやAI技術の発展により、あらゆる産業がエレクトロニクス関連の製品・サービスの活用によるデジタル・トランスフォーメーションを加速させています。また、米中貿易摩擦などを背景に、国内外のメーカーのサプライチェーンのグローバル化も新たなステージを迎えています。
 一方で、これからのグローバル市場においては、売上高2、3兆円級の世界的な企業グループとの競合も不可避です。次の50年を勝ち抜き、当社グループを新たな成長軌道に導くためには、グローバルな視野に立ったビジョンと戦略が不可欠です。


グローバル市場で存在感を持つ1兆円企業へ
 こうした環境認識に基づき、加賀電子グループは次の50年に向けて「競争が激化するグローバル市場において、数兆円級の海外競合企業と伍して戦うために必要な企業規模」―売上高1兆円級の企業グループとなることを中長期ビジョンとして掲げました。また、そのマイルストーンとして、向こう3年で売上規模5,000億円級の“我が国業界No.1の企業の実現”を目標とした新たな中期経営計画を策定。重点課題として「収益基盤の強化」「経営基盤の安定化」「新規事業の創出」の3つを設定しました。
 2019年1月に富士通エレクトロニクス(株)をグループに迎え入れたのは、これら成長戦略の一環です。また、今後も商社ビジネスの領域でM&Aによる収益基盤の量的拡大を図るとともに、その顧客基盤をEMSビジネスにも展開、グローバルな生産基盤を活かして、当社グループ経営の質的向上へとつなげていきます。


“世の中に役立つ企業”という普遍的な価値創造へ
 これら足元の成長施策に加え、長期的な時間軸においては、顧客ニーズにとどまらず、安全・安心や環境保全といった社会課題の解決に貢献する新たな商品・サービスの開発に挑戦していきます。これら取り組みは一朝一夕に成果が出るものではありませんが、当社らしく粘り強く取り組むことで成果を出し、世の中に役立つ企業こそが持続的に成長するという、普遍的な企業価値向上のあり方を実証していきたいと考えています。
 ステークホルダーの皆様におかれましては、今後とも当社グループの取り組みにご支援賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。
2019年3月期の振り返り
次の成長ステージへの基盤づくり
 2019年3月期は前中期経営計画の最終年度でした。総括としては、EMSビジネスの成長に向けたインフラ構築やM&Aで新たな商社ビジネスの事業ネットワーク・リソースを獲得するなど「新たな成長ステージへの基盤づくり」ができた、実りの多い3カ年だったと認識しています。数値面を振り返ると、売上高とROEについては目標を達成しました。売上高は富士通エレクトロニクスの連結化が最終年度である2019年3月期の第4四半期に間に合ったこと、ROEについては買収資金の借入により財務レバレッジが上手く効いたことが主な要因だと認識しています。一方、経常利益については78億59百万円となり、残念ながら中計目標を下回りました。これは、海外新工場からの収益寄与の遅れと買収会社からの利益貢献が限定的であったことが主な要因と分析しています。
 2019年3月期の主な取り組みとしては、お客様からの要請に対応して海外の生産拠点を拡充しました。また、国内でも拠点の再配置や機能強化を図るなどEMSビジネスの拡大に注力しました。加えて、2019年1月には富士通エレクトロニクスをグループ会社化し、更なる成長へ向けての足固めとしました。
 これらの活動の結果、2019年3月期の売上高は2,927億79百万円、前期比で24.1%増収となりました。主力のEMSビジネスが全般的に堅調に推移したことに加え、第4四半期から富士通エレクトロニクスが連結対象となったことが主な要因です。一方、利益面では、新設したベトナム、メキシコ、トルコの新工場がいずれも立上げ期にあることから費用先行が重く、営業利益は前期比6.8%減益の75億70百万円となりました。ただし、企業買収にともなって「負ののれん発生益」を特別利益として計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比23.5%増の80億14百万円となりました。この結果を踏まえ、株主の皆様に特別配当を実施いたしました。


2020年3月期の見通し
不透明な事業環境を踏まえ慎重な見通し
 2020年3月期は、富士通エレクトロニクスが通期で連結対象となるため売上高は前期比46.9%増と大きく伸長し、4,300億円を見込んでいます。一方、営業利益は福島、インドといった国内外でのEMS新工場立上げにともなう費用増や富士通エレクトロニクスのグループ会社化にともなうIT投資などを織り込み、前期比7.5%減の70億円と予想しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した「負ののれん発生益」などがなくなることから、前期比37.6%減の50億円の見込みです。
 これらは、先行き不透明感が強い内外情勢を慎重に踏まえつつ、富士通エレクトロニクスが抱える大口商権の解消リスクも織り込んだ保守的な計画数値となっています。したがって、新中期経営計画の初年度として、下振れることなく達成が見込める目標です。今後も、毎年着実に数字を積み上げ、中期経営計画で掲げている経営目標の実現につなげていきます。

富士通エレクトロニクスのグループ会社化の影響
 2020年3月期の売上高予測の内訳については、加賀電子は前期並みの2,350億円、富士通エレクトロニクスは前期比383億円減収の1,950億円を見込んでいます。この減収のうち、約200億円が大口商権の解消リスクとして、2020年3月期の下期に反映させたものです(上期中は販売を継続しています)。現時点ではまだ協議中であり詳細は開示できませんが、方針が決定次第、報告します。
 売上総利益については、加賀電子は前期並みの売上総利益率と利益額を確保する一方、富士通エレクトロニクスは前期から売上総利益率で約1ポイントの改善を見込み、売上減による売上総利益の減少をできるだけ最小化する計画です。現状、両社の収益性(売上総利益率)は大きく異なりますが、毎年着実に改善していくことで、当社全体の利益の成長につなげていきます。1ポイント改善すれば20億円、2ポイント改善すれば40億円の増益要因となります。



業界内ポジショニング
国内No.1を目指し再編をリード
 富士通エレクトロニクスのグループ会社化によって、当社グループの売上規模は一気に拡大し、2019年3月期実績ベースではエレクトロニクス商社業界第3位の規模となりました。2020年3月期の当社予想では、業界第2位のポジションとなる見込みで、業界トップも射程圏に入りました。ここを足場として、まずは、“我が国業界No.1企業”を早期に実現したいと考えています。
 エレクトロニクス商社は、売上高で60億円から5,000億円級まで、上場会社だけでも30数社が存在します。これに非上場会社も含めると300社を超え、市場規模に比して企業数が多いといわれており、あらゆる産業・業界で、世界規模の再編が進むなか、エレクトロニクス商社だけがこの波を避けられるものではありません。こうした中、当社は再編を主導する企業グループでありた いと考えています。富士通エレクトロニクスのM&Aも、こう した考えをベースとした動きの一つです。



中期経営計画2021と成長戦略
“我が国業界No.1企業”そして グローバル競争に勝ち残る企業へ
 2018年11月、当社は3カ年の経営計画「中期経営計画 2021」を策定しました。3年後の2022年3月期には、売上 高、営業利益ともに2019年3月期比で71%増を目指す意欲 的な目標となっています。
 新しい中期経営計画の基本方針は、「収益基盤の強化」「経 営基盤の安定化」「新規事業の創出」の3つです。これにより 当社グループは“我が国業界No.1企業”を実現し、中長期 の経営ビジョンである“グローバル競争に勝ち残る企業”を 目指して、グループ一丸となって取り組んでいきます。
 具体的な取り組みとしては、富士通エレクトロニクスのグ ループ会社化により拡大した電子部品の商社ビジネス、そ して「車載」や「通信」など成長分野に注力するEMSビジネ スを成長の両輪に据えて、当社グループの事業拡大に取り 組んでいきます。
 なかでも、EMSビジネスは、近年増加するお客様からの要 望に対応して海外生産拠点の拡充を精力的に進めてきた 経緯があります。中国、アセアン地域を中心に展開してきた 生産拠点網に、2017年にはメキシコ、ベトナム、2018年に はトルコ、インドを加えました。現在では日本を含め10カ 国、16カ所にEMS生産工場を構えています。
 そして2019年10月より十和田パイオニア(株)が当社のグ ループ会社に加わります。エレクトロニクス専業メーカーで あるパイオニア(株)の製造子会社として同社が長年培って きたものづくりのノウハウや、優秀な生産系人財と生産設 備を当社グループに取り込むことで、事業拡大を進める車載関連事業を強化することが狙いです。また、国内で高まっ ている生産需要に対応したキャパシティ増強を図ることも 狙いの一つです。なお、国内需要の増加に対しては、福島県 に今秋稼働予定の新工場を建設しています。
 一方、海外においては、米中貿易問題の影響を回避するた めに、米国輸出向けの生産を中国から他の国へ切り替える お客様の動きが顕著となっています。当社もこれに対応し て、タイ第2工場の建設に着手、年内の稼働を目指していま す。また、ベトナムやマレーシア、そしてメキシコの各工場で も積極的に切り替え需要を取り込む計画です。EMSビジネ スの成長に向け、当社グループではこうしたさまざまな取り 組みを同時並行で展開しています。


株主還元
配当性向25%~35%を維持
 当社は、株主の皆様への利益還元を経営上の重要な施策の 一つとして位置づけています。長期にわたって当社株式を 保有し、ご支援いただけるよう、剰余金の配当を通じてしっ かりと報いていきます。また、「皆で努力した結果、儲かれば 皆で分配する」という創業者の信条のもと、期初計画以上 の利益創出が見込まれるときには特別配当を実施して株主 の皆様に還元する、ガラス張りの経営を旨としています。定 量的には「連結配当性向25%~35%を確保しつつ、安定的 な配当を実施する」ことを基本方針に据えています。
 2019年3月期においては、期中2回の増額修正を行った結果、1株当たり80円の配当となり、配当性向では27.4%とな りました。2020年3月期は、前期比減益が予想され、配当は 1株当たり60円の減配、配当性向は32.9%の予想となって います。2014年3月期から6期連続で増配してきましたが、 残念ながらここで一旦途切れる見込みです。今後も当社が 創出する利益の配分については、長期的視点に立って健全 な財務体質を堅持しつつ、更なる飛躍のための成長投資 と、株主の皆様への安定かつ継続的な配当の実施を続けて いきます。



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