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資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

1.現状認識

 当社は、「中期経営計画 2024」での成果と課題を踏まえ、次代に向けた当社グループの持続的成長の指針として、2025年度(2026年3月期)から2027年度(2028年3月期)までの3ヶ年の経営計画「中期経営計画 2027(2025-2027)」を策定しました。当社が創業60周年を迎える2028年度(2029年3月期)には、「売上高1兆円企業」の実現を見据えた長期構想の下、前中計で掲げた“グローバル競争に勝ち残る世界に通用する企業”、“我が国業界No.1企業”の「経営ビジョン」を継承しております。
 「中期経営計画 2027」の基本方針は、「収益性と資本効率を重視した経営により、企業価値を高める」とし、重点施策を「更なる収益力の向上」「経営基盤の高度化」「SDGs 経営の推進」としております。最終年度となる2027年度となる2028年3月期の経営目標を次の通り定めました。

●2027年度(2028年3月期)経営目標

2025年3月期 (経営目標)
前中計最終年度
(2024年度実績)
新中計最終年度
(2027年度目標)
CAGR
<1兆円を視野に3年後に目指す経営目標>
売上高
8,000億円以上

営業利益
360億円以上

<オーガニック成長による収益目標>

売上高
5,477億円
7,000億円以上
8.5%
営業利益
236億円
350億円以上
14.0%
(営業利益率)
(4.3%)
(5.0%)
<資本効率性の指標>
ROE
10.8%
12.0%以上
 [参考:株主資本コスト]
[10%前後]
[10%前後]
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
2026年3月期
(予想)
売上高
4,223億円
4,958億円
6,080億円
5,426億円
5,477億円
5,300億円
営業利益
114億円
209億円
322億円
258億円
236億円
230億円
親会社株主に帰属する当期純利益
113億円
154億円
230億円
203億円
170億円
165億円
ROE
13.5%
15.7%
19.6%
14.5%
10.8%
10.0%
株価
1,240円
1,628円
2,505円
3,190円
2,698円
PBR
0.75倍
0.87倍
1.05倍
1.16倍
0.85倍

※株価およびPBRは各年度末日終値で算出
※2025年3月期に株式分割(1:2)を実施しており、それ以前の数値は分割を加味して修正をしております。

 
 

2.ROEの考え方

 直近の実績において、ROEは安定的に10%以上を維持し、資本コストを上回る水準で推移しております。
 「中期経営計画 2027」では、基本方針として「資本効率重視」を掲げ、計画最終年度におけるROE目標は、現状の株主資本コスト10%前後を優に上回る「12.0%以上」と設定しました。ROEは、「当期純利益率」「財務レバレッジ」「総資産回転率」の3つの指標に分解することが出来ますが、それぞれの指標ごとの目安として、下記のとおり、設計しております。

2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
2028年3月期
(目安)
当期純利益率(%)
2.7
3.1
3.8
3.7
3.1
3.0~3.5
財務レバレッジ(倍)
2.6
2.6
2.4
2.0
1.9
2.0~2.5
総資産回転率(回)
1.9
1.9
2.2
1.9
1.8
2.0前後
ROE(%)
13.5
15.7
19.6
14.5
10.8
12.0~15.0
<参考>





株主資本コスト(%)
8.1
7.5
8.1
10.6
9.4
10.0前後
 

3.今後の取組み方針

 当社のPBRの改善に向けては、株主資本コストを上回るROEを維持・向上させることと併せて、当社の事業の取り組みや成長戦略に対して株式市場から正当な評価を受けることが重要です。そのために、「中期経営計画 2027」にて策定した諸施策の着実な実行を始めとする、以下の4つの取り組みに注力してまいります。

施策(1):「中期経営計画 2027」の着実な実行
 中期経営計画で定めた諸施策の着実な実行により事業成長と収益性の維持・向上に取り組み、計画最終年度における経営目標の実現を目指します。

施策(2):株主満足度の向上
 中期経営計画で定めた株主還元方針(①中長期的な利益成長を通じた配当成長の目安としての連結配当性向を「25~35%」から「30~40%」に引き上げ、②安定的かつ継続的な普通配当の目安として「DOE4.0%」を新たに設定、③機動的な株主還元施策としての特別配当および自己株式取得の実施)の着実な実行により株主満足度の向上に取り組んでまいります。

施策(3):SDGs経営の推進
 社長執行役員が委員長を務める「サステナビリティ委員会」が中心となって、従前より取り組んでおりますCSRならびにESGへの対応を深化させ、グループ全社で横断的にSDGs経営を推進してまいります。
2026年3月期は、Scope1~3別のGHG排出量算定を継続するとともに、2023年度排出量を基準として設定した削減目標(2030年度までにScope1+2では42%削減、Scope3では25%削減)の目標達成に向け引き続き取り組んでまいります。また、CDP・TCFDなど外部機関によるESG評価向上にも取り組んでまいります。

施策(4):積極的なIR活動の維持・強化
 従前よりIR専任組織である「IR・広報部」が中心となって、今後も資本市場への開示情報の拡充や積極的な対話を通じて、当社経営に対する信頼性を一層高め、資本コストの低減を図ってまいります。
具体的には投資家向けの会社説明会や決算説明会等IRイベントの開催、当社 IRサイトや統合報告書、各種メディア(経済紙誌、専門紙)等を通じて定期的な経営情報の発信に一層努めてまいります。加えて、海外も含めた株主・投資家との建設的な対話には、社長執行役員が中心となって精力的に取り組んでまいります。これらIR活動で寄せられた意見等を取締役会でも共有し、経営戦略のレビュー等に活用してまいります。