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統合レポート CEOメッセージ

2023年3月期は、おかげさまで部品販売、EMSともに大きく伸長し、増収増益を達成することができました。世界的な半導体・電子部品の供給不足のなか、お客様のご要望にしっかりとお応えできたことが成果につながりました。一方、2024年3月期の業績については、スポット販売が剥落するため、厳しい見通しとなりますが、2025年3月期以降は成長路線に復帰できると確信しており、『中期経営計画2024』の目標達成に向けて、引き続き取り組んでまいります。
加賀電子グループの成長の原動力
 「すべてはお客様のために」。これが、加賀電子グループの企業理念です。そして、これを実現していく行動指針の一つが「F.Y.T.(ファイト)」です。FはFlexibilityで、市場変化への柔軟な対応。YはKeep Youngで、業歴や年齢に関係なく、発想や行動力を若々しく保つこと。そしてTはTryで、果敢な挑戦を忘れないこと。この「F.Y.T.」を大切にすることで、2022年9月に創業55周年を迎えることができました。
 そして、創業当初からの想いや歴代社員が積み重ねてきた知見から培われたものが「加賀イズム」として根づき、受け継がれています。
 「お客様が求めるものに、NOと言わない」も、創業以来大切にしてきた、加賀電子ならではのお客様への向き合い方です。これが多くのお客様から重宝がられ、電子部品を納めていたら、次は部品をキットで納めてほしいとなり、その後、開発・製造も依頼されるものづくりにつながり、今ではEMSという事業の柱に育ちました。
 今回の世界的な半導体不足では、半導体が一つ足りないために生産ラインが回せないといったご相談もありました。すぐに動いたところ、見つかったものの、単価が高いため、必要個数だけ購入するご提案をしました。お客様からは、確保できた分すべてを納品してほしいというお答えがありました。お客様にお喜びいただき、当社に対する評価も上がりました。このようにご依頼のあったものについて、9割方はお納めしてきたと自負しています。
 もう一つ、「社員の提案にはNOと言わない」というユニークなものもあります。新事業の立ち上げなどは会社設立から人集め、資金繰りなど、すべて自分で行いますから、社員も大変ですが、それを乗り越えて育っていくのが嬉しいです。
 もちろん、撤退のルールはあります。「3・5ルール」と言って、3年で単年度の損益を黒字にする、そして5年で累積赤字を解消することを一つの目安としています。社員に任せるからには、時には失敗もあります。当社は「敗者復活あり」ですから、その失敗を糧に皆が人として成長してくれれば良いのです。仮に、一度失敗したら「もう、おしまい」であったら、当社がここまで成長することはなかったでしょう。とはいえ、成功する確率は高く、6~7割が成功しています。
社員全員の幸せが会社の繁栄につながる
 加賀イズムを実践するには、社員が健康でなければなりません。
 2021年からは、SDGs委員会の社会ワーキンググループで働きやすい環境づくりやワークライフバランスの拡充をテーマに取り組みを進めています。
 “社員が健康でないと会社も幸せになれない ”との考えのもと、社員の健康を重視したさまざまな取り組みが評価され、「健康経営優良法人2023」の認定を受けることができました。
 次世代オフィスの空間づくり、働きやすい環境づくりの具体策の一つとして、電子タグを使用して社員一人ひとりの身体的要素に合わせた最適なトレーニングができる、EGYM社の最新AIマシンなどを導入したトレーニングルームを本社内に開設しました。コロナ禍後もテレワークを継続し、4~6割の出社率であることから生じた余剰スペースを有効活用したものです。
 加賀電子グループが目指す、「我が国業界No.1企業」、そして「グローバル競争に勝ち残る企業」を実現する源は、一人ひとりが心身ともに健康な「人づくり」に尽きると考えています。