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統合レポート CFOメッセージ

在庫の削減が進展
 世界的な半導体・電子部品の供給不足、リードタイムの長期化、また国際物流網の混乱などを背景に、多くの製造業が調達方針を見直し、この1、2年、部品在庫を積み上げてきました。
 当社も例外ではなく、部品販売ビジネスにおいては、お客様からの先行発注に伴って物量を確保する必要がありました。EMSビジネスにおいても、一部部材の調達難に伴う仕掛品の増加やBCPとしての安全在庫の確保などが生じました。
 その結果、2023年3月期の期初に626億円だった在庫は、9月末には712億円、12月末には788億円へと積み上がりました。
 在庫の削減を喫緊の経営課題と位置付け、「当期末の在庫水準は500億円以下に正常化させる」としてきた削減目標には、残念ながら届かなかったものの、12月末時点から200億円超を削減して500億円台まで戻すことができました。
 在庫削減の取り組みを、EMSを中心とした「ものづくり」ビジネスと部品販売を中心とした「商社」ビジネスに分けてみた場合、商社ビジネスは手離れが良いため、12月末から一気にポジションを落とすことができましたが、ものづくりビジネスはまだ仕掛りの在庫もあり、減少スピードは緩やかとなっています。今期中には、「回転日数30日」の全体目標を達成します。
 以上が期中の詳細ですが、期末ベースで見ると、棚卸資産は562億5百万円となり、64億1百万円減少し、在庫回転日数は46.1日から33.7日に改善しました。
 売上高が大きく伸長する一方で、在庫削減に努めた結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、305億69百万円の収入となり、前期の15億54百万円の支出から大きく改善しました。
 これを原資に借入金の返済を行った結果、有利子負債は前期末に比べ、92億32百万円減少しました。当期末の現金及び現金同等物も503億7百万円と、前期末に比べ110億66百万円増加しました。
2023年3月期の振り返り
 2023年3月期の売上高は、電子部品事業で部品販売、EMSともに大きく伸長したことにより、前期比22.6%増の6,080億64百万円となりました。売上高の増加と販売ミックスが良化したことに伴い、売上総利益は前期比29.7%増の785億14百万円となり、売上総利益率も12.2%から12.9%と大きく改善しました。販売費及び一般管理費が前期比16.7%増の462億65百万円にとどまったことから、営業利益は前期比54.2%増の322億49百万円となりました。
 これを会社別に見ると、加賀電子、加賀FEIの売上高は電子部品事業が牽引して大幅な増収となりました。加賀電子は前期比23.8%増の3,480億34百万円、加賀FEIは前期比33.5%増の1,995億48百万円となりました。
 売上総利益の利益額、利益率は、3社とも向上しています。特に総利益率は、全体で前年比0.7ポイント増加の12.9%となっており、加賀電子が0.4ポイント増の15.3%、加賀FEIが0.7ポイント増の10.5%、エクセルが0.8ポイント増の7.3%となりました。
 販売費及び一般管理費は増加したものの、販管費率では0.4ポイント改善しました。
 営業利益は、売上総利益増で販管費増を吸収し、加賀電子は前年比41.6%増の218億99百万円、加賀FEIは前期比121.8%増の81億3百万円、エクセルも前年比7%増の20億72百万円となりました。営業利益率においても、全体で1.1ポイント、個別では加賀電子が0.8ポイント、加賀FEIが1.7ポイント、エクセルが0.4ポイントそれぞれ改善しました。