1.「中期経営計画 2027」の策定および公表の背景
当社は、2023年3月期から2025年3月期を計画期間とする「中期経営計画 2024」を策定し、その諸施策の遂行に努めてまいりました。その進捗状況につきましては、計画最終年度の経営目標に対して、計画初年度となる2023年3月期において、新規M&Aを除き「売上高」「営業利益」ならびに「ROE」を2年前倒しで達成いたしました。
他方で、この初年度の成果を踏まえ、2023年5月に公表した最終年度業績に関する「最新見通し」に対しては、在庫調整の長期化や賃上げの影響などその時点では想定できなかった事象も顕在化したことなどにより、現下の業績予想とは乖離を残した状況にあります。
このような状況の中、創業60周年には売上高1兆円企業となることを見据えて、次の3ヵ年における当社グループの成長の道筋を示す「中期経営計画2027」を策定いたしました。
2.「中期経営計画 2027」の概要
(1)計画期間
2026年3月期から2028年3月期(3ヵ年)
(2)基本方針
「収益性と資本効率を重視した経営により、企業価値を高める」
(3)重点施策
① 更なる収益力の向上
事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じ、中核事業の拡大を目指しつつ、創業60周年を迎える2029年3月期売上高1兆円に向け、新規M&Aに引き続き取り組むほか、新規事業の創出に努めます。
② 経営基盤の強化
「成長投資」ならびに「株主還元」に重点配分する、戦略的なキャッシュアロケーションを実践します。また、人事制度の改革などにより人的資本への投資を継続、強化します。
③ SDGs経営の推進
「環境」「社会」「ガバナンス」の各経営課題への対応を加速し、企業価値向上と社会価値の両立による持続的な成長を目指します。
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現中計最終年度 (2024年度予想) |
次期中計最終年度 (2027年度目標) |
CAGR |
1兆円を見据えて 最終年度にめざす 経営目標 |
売上高 営業利益 |
- - |
8,000億円以上 360億円以上 |
- - |
オーガニック成長による収益目標 |
売上高 営業利益 (営業利益率) |
5,550億円 260億円 (4.7%) |
7,000億円以上 350億円以上 (5.0%) |
8.0% 10.4%
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資本効率性の指標 |
ROE [(参考)株主資本コスト] |
11.5% [10%前後] |
12.0%以上 [10%前後] |
- |
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現中計最終年度 (2024年度予想) |
次期中計最終年度 (2027年度目標) |
CAGR |
電子部品事業 |
売上高 セグメント利益 |
3,680億円 138億円 |
4,000億円 165億円 |
2.8% 6.1% |
EMS事業 |
売上高 セグメント利益 |
1,250億円 80億円 |
2,300億円 135億円 |
22.5% 19.1% |
CSI事業 |
売上高 セグメント利益 |
450億円 30億円 |
550億円 40億円 |
6.9% 10.1% |
その他事業 |
売上高 セグメント利益 |
170億円 12億円 |
150億円 10億円 |
- - |
合計 |
売上高 セグメント利益 |
5,550億円 260億円 |
7,000億円 350億円 |
8.0% 10.4% |
4.株主還元方針
● 株主の皆様に対してより積極的に配当を実施する観点から、「連結配当性向30~40%」に引き上げ、中長期的な利益成長を通じた配当成長に努めます。
● 普通配当については、安定的かつ継続的な配当の目安として、「DOE4.0%」を新たな指標とします。
● 利益水準や資本効率性に応じた追加施策として、特別配当や自己株式取得を機動的に実施します。
中期経営計画2024▼ OPEN
1.「中期経営計画2024」の策定について当社は、創立50周年を迎えた2018年9月、次の50年を見据えた成長シナリオとして、2020年3月期から2022年3月期までの3ヵ年計画「中期経営計画2021」を策定し、その諸施策の遂行に努めてまいりました。最終年度となる当2022年3月期は中間点を折り返し、営業利益およびROEの経営目標について超過達成の見通しとなるなど、概ね順調な進捗であることが確信できたことから、次の3ヵ年に向けた当社グループの成長の道筋について、株主、投資家など市場関係者の皆様と共有するため、「中期経営計画2024」を策定いたしました。
2.「中期経営計画2024」の概要(1)フィロソフィー
①経営理念 : すべてはお客様のために
②ビジョン :「我が国業界No.1企業を目指す」
「グローバル競争に勝ち残る企業を目指す」
③行動指針 :「F.Y.T(ファイト)」(変化に柔軟に、常に若々しく、果敢に挑戦する)
「3G(スリージー)」(あらゆるものを、グローバルに、総合力を活かして)
「加賀イズム」(経営マインド・営業マインド・社会人としての心構え)
(2)基本方針
当社は、「利益重視の経営」を徹底しつつ、「我が国業界No.1企業」「グローバル競争に勝ち残る企業」を目指すことを中長期のビジョンとしています。このビジョン実現に向けて、次期中期経営計画では、以下の基本方針に沿った諸施策を展開してまいります。
①更なる収益力の強化
時代を先読みし、高い成長性や収益性が見込める市場に注力します。
②経営基盤の強化
更なる効率性、健全性を追求し、“我が国業界No.1企業”に相応しいグループ経営基盤へ変革します。
③新規事業の創出
ベンチャー投資やM&Aを積極的に活用して新たなビジネスを創出し、外的環境変化への耐性を強化します。
④SDGs経営の推進
「社会課題の解決」と「企業としての持続的成長」の両立を目指した経営を推進します。
項目 |
2022年3月期 計画策定時予想 (2021年11月25日公表) |
(2021年11月25日公表) |
2025年3月期 経営目標 最新見通し※ (2023年5月11日公表)
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売上高 |
4,700億円 |
7,500億円
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変更なし |
営業利益 |
150億円 |
200億円
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300億円以上 |
ROE |
9.7% |
8.5%以上
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安定的に10%以上 |
※ 当社グループは、2021年11月25日に公表しました『中期経営計画 2024』に掲げた成長戦略に沿って、目標達成に向けて取り組んでまいりました。
本日開示しました「2023年3月期決算短信」に記載のとおり、計画初年度にあたる2023年3月期は、世界的に半導体・電子部品不足が続く中、当社グループの調達力の強みを最大限発揮した結果、新規M&A目標を除いて、 売上高、営業利益ならびにROEのすべてのKPIにおいて2年前倒しで最終年度の経営目標を達成いたしました。
一方、将来の見通しにつきましては、2024年3月期は景気後退リスクや一時的な顧客在庫調整等の影響を織り込むものの、2025年3月期には回復し再び成長期に戻るシナリオを想定しております。
このように、計画策定時には想定していなかった、当社グループが属するエレクトロニクス業界の目まぐるしい環境変化およびそれに伴う足元の業績変動を踏まえ、計画最終年度の業績見通しをアップデートいたしました。
なお、中期経営計画における基本方針、成長戦略等は変更せず、引き続き各種施策を展開してまいります。
(4)事業ポートフォリオ計画(売上高)
事業セグメント |
2022年3月期 計画策定時予想 (2021年11月25日公表) |
2022年3月期 直近予想 (2022年2月3日公表) |
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電子部品事業 |
3,080億円 |
3,130億円 |
3,800億円 |
EMS事業 |
1,100億円 |
1,100億円
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1,500億円 |
CSI事業 |
400億円 |
400億円 |
540億円 |
その他事業 |
120億円 |
120億円 |
160億円 |
新規M&A 等 |
― |
― |
1,500億円 |
合計 |
4,700億円 |
4,750億円 |
7,500億円 |
(5)株主還元に関する基本方針
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営上重要な施策の一つとして位置づけ,将来成長に資する投資の推進、中長期的に健全な財務基盤の維持ならびに連結業績の進展を総合的に勘案しつつ、連結配当性向の目安を25~35%に置き、1株当たり配当金を安定的且つ継続的に充実化することを基本方針としております。
中期経営計画2021▼ OPEN
当社は2018年9月に創立50周年を迎え、次の50年、更にその先を見据えた“未来の加賀電子グループ”の創造に向けた新たな出発点とすべく、2020年3月期から2022年3月期までの3カ年計画として「中期経営計画2021(2019‐2021)」を策定、公表(2018年11月6日)いたしました。その概要は以下のとおりです。
・収益基盤の強化
常に時流を先読みする当社グループの創業来のDNAを活かし、これから高い成長性・収益性が見込まれる市場に注力し、当社グループの収益基盤の強化を図ります。
①成長分野への取組み強化:「車載」「通信」「環境」「産業機器」「医療・ヘルスケア」に注力
②EMSビジネス、海外ビジネスの強化・拡大
・経営基盤の安定化
富士通エレクトロニクスのグループ会社化後の当社グループの効率性・財務健全性の早期改善に向けて、経営基盤の強化を図ります。
①グループ横断的なコスト削減施策の継続
②組織体制整備によるグループ経営の効率化推進
③コーポレートガバナンスの強化、人財の育成
・新規事業の創出
外的環境変化への耐性強化のため、自社リソースおよびM&Aを積極的に活用、新規事業の創出を図ります。
①「社会課題(保育、福祉、介護、等)ビジネス」「素材ビジネス」の取り組み
②ベンチャー投資によるオープンイノベーションの推進
③M&Aの積極的な活用
2.経営目標
当計画の最終年度となる2022年3月期(2021年度)に目指す経営目標は以下のとおりです。
売上高 |
営業利益 |
ROE |
5,000億円 |
130億円 |
8.0%以上 |
3.「中期経営計画2021(2019-2021)」の位置付け当社は、「利益重視の経営」の確立・定着を通して、“我が国業界No.1”の企業グループを形成し、更には“世界に通用する企業”を目指すことを中長期の経営ビジョンとしています。
このビジョン実現に向けて、「中期経営計画2021(2019-2021)」では富士通エレクトロニクスのグループ会社化を通じて規模の拡大を図り、先ずは5,000億円級の売上高を伴った“我が国業界No.1”企業グループとしての事業基盤を固めます。
そしてそれを足場として、中長期の時間軸では、EMSビジネスの一層の拡充と海外ビジネスの強化・拡大とともに更なるM&A・業界再編にも挑戦して規模拡大を図ることで、売上高兆円級の海外競合企業と伍して戦い、グローバル競争にも勝ち残れる“世界に通用する企業”の実現を目指します。
4.株主還元の考え方当社は、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の一つとして位置づけ,長期視点に立った財務体質と経営基盤の強化に努めるとともに、連結業績に鑑みながら株主各位に対する安定かつ継続的な配当の維持を基本方針としております。
この方針に基づき、「中期経営計画2021(2019‐2022)」におきましては、「連結配当性向25~35%」を確保しつつ安定的な配当を実施していく」ことを目標に掲げております。また、当社グループの将来成長に資する事業投資や設備投資、M&A等にも積極的に活用してまいります。なお、自己株式の取得につきましては、資本効率や株価等を勘案して適切に判断してまいります。
(注1)EMSビジネス:電子機器の製造受託サービスのこと。当社は独立系エレクトロニクス商社の強みを活かして、電装基板の実装を得意としております。
中期経営計画2018▼ OPEN
当社グループは、2015年を初年度として、2018年に至る中期経営計画を策定しました。
詳細につきましては、中期経営計画2018(2015-2018)をご覧ください。
目標とする経営指標
中期経営計画では「利益重視の経営」を確立することを重点経営方針として掲げ、世界に通用する企業として持続的成長を目指しています。
最終年となる2019年3月期の業績目標を[売上高2,900億円、経常利益100億円、ROE8%以上]としています。